評価性副詞成分の生成をめぐって : 「-くも」・「-にも」とその周辺

ヒョウカセイ フクシ セイブン ノ セイセイ オ メグッテ : クモ ニモ ト ソノ シュウヘン

話し手の総括的な主意や感情をあらわす、いわゆる文副詞はさまざまな成分から成る。ある意味では陳述副詞と重なるものであるが、そのなかに「早くも」「意外にも」などの形容詞、形容動詞連用形に「も」のついた語彙がある。これらは一部語彙的な統語構造も成し、意外性、稀少性などの情意をあらわす。様態修飾から評価、あるいは注釈へと、文そのもののレベルも異なりを見せる。本稿ではこれらのタイプの意味機能をくわしく観察しながら、事態の記述から心的な記述への転換を「も」の機能を中心に述べる。また、その周辺の文副詞句を述定のふるまいと関連付けて考察する。「くも」「にも」およびその他の副詞に「も」のついた成分や隣接する評価副詞 (句) としての類型もまた話し手の主観性を強く打ち出したもので、結果誘導的な機能が顕著であること、その一部は節として拡大されること、などを考察する。

別科日本語教育 : 大東文化大学別科論集

AA11928154

13483145

5

1

22

2003-05

日本語

紀要論文

紀要論文

publisher