『装潢志』に見られる周嘉冑の装潢観

ソウコウシ ニ ミラレル シュウ カチュウ ノ ソウコウカン

Zhou Jiazhou's View of Mounting Seen in Zhuang hauang zhi

『装潢志』は中国では初めて現れた装潢の専門書であり、装潢の歴史の中で屈指の地位を占めている。著者である周嘉冑は『装潢志』の冒頭に装潢の重要性を強く主張し、傷んだ古い書画の再装潢(修復)の重要性を強調した。『装潢志』にみられる周嘉冑の装潢観は古人の装潢理論を選択的あるいは批判的に受け継ぎ、自らの経験に基づいて、伝統の装潢技術を再認識したうえで、独自の発展を遂げてきたものである。おもに古書画修復に対する慎重さと重要性、修復の原則および審美原則などの点を集中的に述べている。『装潢志』ははじめて技法と理論の二面から書画の装潢と修復を系統的に論じた。それに見られる周嘉冑の装潢に対する観点は張彦遠や米芾らの主張より大きく発展した一方、装潢と修復の基準を示した。故に今日の文化財保存修復でも参照になるであろう。

書道学論集 : 大東文化大学大学院書道学専攻院生会誌

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2015-03-31

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紀要論文

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