「臥薪嘗胆」の授業 : 『十八史略』教材の長所と短所

「臥薪嘗胆」はよく知られた故事を中心として興味深い内容を持ち、中国古代の歴史が手際よくまとめられている史伝教材である。文法や訓読の指導についても効果的な材料がある。しかし、『十八史略』の文章は教材として見ると簡略化された叙述の中に注意すべき点がある。「臥薪嘗胆」においては、それは教材としての短所ではあるが、授業者がその点を認識することで、授業展開の中でその欠点は充分補えるものである。『十八史略』の作者曾先之は史書の記述に基づきながら、作者なりの配慮を凝らして文章の簡略化に務めているようである。むしろ授業者は、簡潔な文体の特性に留意することで読解指導を深めることができ、短所を長所に変えて漢文学習の効果をさらにあげることができると言える。

教職課程センター紀要

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A39

A44

2017-12-05

日本語

紀要論文

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